
ダイエットで肌が綺麗になるって本当?



理想の体型と美肌を手に入れる方法は?
結論、ダイエットで肌がきれいになる可能性は十分にあります。
とはいえ、単に体重を減らすだけで美肌になるわけではなく、ダイエットの仕方が重要です。
間違ったダイエットは、逆に肌荒れの原因になります。
適切なダイエット方法を知り、引き締まった体と美肌を叶えたい人は、ぜひ参考にしてみてください。


ダイエットで肌が綺麗になる理由


ダイエットで肌がきれいになる理由は、痩せるための行動と美肌になる方法が似ているからです。
たとえば、栄養バランスの整った食事や良質な睡眠、適度な運動がダイエットには必要。



上記は肌をきれいにするための行動でもあるのです。
適切なダイエットを続けると、肌にとって以下のようなメリットがあります。
- 肌のうるおいがアップしやすくなる
- 代謝が上がるから
- 肌荒れしにくくなる
- 腸内環境が整うから
- ニキビや毛穴詰まりのリスクを減らす
- 皮脂の過剰分泌が抑えられるから
- 血色が良くなる
- 血行が良くなるから
生活習慣を整えることにより代謝が上がると、ターンオーバーが促されて潤いのある肌に近づけます。
揚げ物や甘いものを制限するダイエットは、皮脂の過剰分泌を抑えるため、ニキビが気になる人には一石二鳥です。
また、血行が良くなると栄養や酸素が肌に届きやすくなり、血色の良い肌を目指せます。
肌が綺麗になるダイエット方法


ダイエットには食事や運動、睡眠などあらゆるアプローチ方法があります。
痩せながら美肌を目指すには、どれか一つではなく、組み合わせて実践することが大切です。



「運動するけど食べない」「腸活するけど寝ない」などは努力が水の泡になる可能性も。
食生活を見直す


痩せるには、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることが基本です。
しかしカロリー制限しすぎて栄養不足になると、太りやすい体質になったり肌荒れが起きたりしてしまいます。



必要な栄養素を摂りつつ、効率よくダイエットしましょう。
栄養バランスの良い食事をする
カロリーを意識しながら栄養バランスの良い食生活を送ることで、美肌とダイエットを両立できます。
ダイエットと肌に良い栄養素
栄養素 | 働き | 主な食品 | |
---|---|---|---|
タンパク質 | 体への効果 代謝が上がり脂肪燃焼 肌への効果 ターンオーバーを促す コラーゲンの元になる | ・鶏むね肉 ・ささみ ・豚ヒレ肉 ・まぐろ ・卵 ・納豆 ・豆腐 | |
ビタミン | 体への効果 代謝をサポートする 肌への効果 抗酸化作用が高く美肌を目指せる | ビタミンA 肌を健やかに保つ | ・トマト ・モロヘイヤ ・ほうれん草 ・レバー |
ビタミンB1 糖質の代謝を助ける | ・豚ヒレ肉 ・そば ・枝豆 | ||
ビタミンB2 脂質の代謝を助ける | ・レバー ・うなぎ ・納豆 ・アーモンド | ||
ビタミンB6 タンパク質や脂質、糖質の代謝を助ける | ・豚ヒレ肉 ・まぐろ ・かつお ・バナナ ・玄米 | ||
ビタミンB12 タンパク質や脂質の代謝を助ける | ・貝類 ・レバー | ||
ビタミンC コラーゲンの生成を助ける | ・パプリカ ・ブロッコリー ・キャベツ ・ミニトマト ・果物 | ||
ビタミンE 抗酸化作用が高い | ・ナッツ類 ・卵 ・オリーブオイル ・大豆 | ||
ミネラル | 体への効果 代謝をサポート 肌への効果 コラーゲン生成を助ける | 亜鉛 | ・牡蠣 ・豚レバー ・牛の赤身肉 |
鉄分 | ・レバー ・赤身肉 ・赤身魚 ・ほうれん草 | ||
食物繊維 | 体への効果 腸内環境を整えて代謝を促す 肌への効果 老廃物を排出し肌荒れを防ぐ | ・ヨーグルト ・キノコ類 ・バナナ |
上記の栄養素は、代謝を上げてダイエットの効率を高めてくれます。



偏りなくさまざまな栄養素を摂りましょう。
1日3食を心がける
血糖値の急上昇をおさえ効率的にダイエットするには、1日3食を心がけましょう。
空腹の時間が長いと、次の食事で血糖値が上がりやすくなってしまいます。
血糖値が上がるとインスリンの分泌が増え、太る原因に。
特に朝食を抜くと、代謝が上がりにくくなるため、ダイエットの妨げになります。



4~5時間の間隔で、規則正しく食べることが大切です。
太りにくい食べ方をする
ダイエットの効果を高めるために、太りにくい食べ方を意識してみましょう。
- 野菜から食べる
- よくかんで食べる
最初に口にしたものがもっとも吸収されやすいため、ヘルシーな野菜から順に食べるのがおすすめです。
次にタンパク質、最後に炭水化物を摂りましょう。
また、唾液の分泌を促すためにも、よくかんで食べることが大切です。
唾液には肌のターンオーバーを促す成分が含まれており、きれいな肌へとサポートしてくれます。
低GI食品を摂る
いつもの食事を低GI食品に代えることで、血糖値の上昇をゆるやかにできます。
- 玄米
- そば
- 全粒粉パン
- ブロッコリー
- キャベツ
- トマト
- リンゴ
- きのこ
- チーズ
- 納豆
- 豆腐
- ナッツ類
反対に、GI値が高い食品を摂ると血糖値がグンと上昇。
上がった血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されるので、太りやすくなってしまいます。
白米やパン、じゃがいも、チョコレートなどは高GI食品にあたるので、ダイエット中は控えましょう。
良質な脂質を摂る
良質な脂質を適度に口にすることで、脂肪燃焼をサポートしたり肌のうるおいを高めたりしてくれます。
脂質の種類 | 働き | 主な食品 |
---|---|---|
オメガ3脂肪酸 | ・脂肪を燃やす ・ターンオーバーを促進 | ・鯖 ・サーモン ・亜麻仁油 |
オメガ9脂肪酸 | ・腸の働きをよくする | ・オリーブオイル ・ゴマ油 ・アボカド |
中鎖脂肪酸 | ・体脂肪になりにくい ・脂肪燃焼をサポート | ・MCTオイル |
脂質は消化に時間がかかるため、腹持ちが良い点もメリットです。
タンパク質や炭水化物と比べて脂質はカロリーが高めですが、不足すると乾燥肌の原因になります。
上記のような油を適量摂ることが、ダイエットと美肌を両立させるためには大切です。
適度な運動をする


適度な運動をすることで筋肉量が増え、代謝アップにつながります。
適度な運動とは
息が弾み汗ばむ程度の運動を週60分
血行が良くなって栄養が行き渡りやすくなるので、美肌を手に入れるためにも運動は大切です。
- 有酸素運動
- ランニング
- ウォーキング
- サイクリング
- 水泳
- エアロビクス
- ラジオ体操
- 筋トレ
- スクワット
- 腹筋
- 腕立て伏せ
運動後はストレッチをすることで、血行が良くなり筋肉もほぐれるのでぜひ取り入れてみてください。
質の良い睡眠をとる


質の良い睡眠をとると、ダイエットや美肌に良い影響を与えるホルモンが分泌されます。
- 成長ホルモンが分泌される
- 代謝を活発にする
- 肌を補修する
- レプチンが分泌される
- 食欲をおさえる
成長ホルモンは、眠ってすぐのノンレム睡眠時(深い眠りの時)に分泌される物質。
代謝をサポートする働きがあり、カロリーを消費したり肌のターンオーバーを整えたりしてくれます。
反対に、睡眠不足だと上記のホルモンが減り、グレリンという食欲を増すホルモンが分泌されてしまいます。
ダイエット成功のためには、良い睡眠を心がけることが大切です。
睡眠の質を上げる方法
- 起床時間を一定にする
- 朝食を摂る
- 朝起きたら日光を浴びる
- 日中に体を動かす
- 寝る2時間前までに入浴する
- 寝る前はアルコールやカフェインを控える
- 寝室を快適な温度に調整する
- 夜はブルーライトを浴びない
- こまめにストレスを発散する
腸活をする


腸活をすると代謝が上がり、脂肪の蓄積をおさえられます。
また腸内環境が整うと、老廃物が排出されやすくなり美肌になれる可能性もアップ。



腸活におすすめなのは、シンバイオティクスを摂ることです。
シンバイオティクスとは、プロバイオティクス(善玉菌を含む食品)とプレバイオティクス(善玉菌のエサ)を組み合わせて摂ること。
- プロバイオティクスを含むもの
- ヨーグルト
- 乳酸菌飲料
- 納豆
- みそ など
- プレバイオティクスを含むもの
- りんご
- バナナ
- 海藻類
- 大麦 など
シンバイオティクスを摂ることで善玉菌が増え、腸の動きがよくなります。
食べる際は、同じものばかりではなくさまざまな食品を組み合わせたほうが、菌の種類が増えておすすめです。
水分をとる


水分をしっかり摂ると老廃物の排出が促され、栄養や酸素が体内に届きやすくなります。
1日約2.5Lが排出されるため、同じ量を補いましょう。
- 飲料水から得る水分:約1.2L
- 食事から得る水分:約1L
- 体内で作られる水分:約300ml
食事や体内で作られる水分を除いた約1.2Lを、飲料水で補う必要があります。



飲料水は、水や白湯がベスト。
「味が欲しい」と思ったときは、タンパク質が豊富な豆乳もおすすめです。(⚠摂りすぎは太りやすくなるので、1日200mlまでに◎)
一方、コーヒーや緑茶などカフェイン入りの飲み物は利尿作用があるので、水分補給の面ではあまり向いていません。
湯船に浸かる


湯船に浸かると血行が良くなり代謝が高まるので、脂肪が燃えやすくなります。
またターンオーバーが促進されるため、美肌を目指す上でもおすすめです。
- 全身浴をする
- 効率よく全身が温まる
- 水圧で血行が良くなる
- 浸かるのは10~15分にする
- 長く浸かると肌が乾燥する
- 38~40℃に設定する
- 熱いお湯だと肌が乾燥する
入浴のポイントを押さえることで、副交感神経が働き、睡眠の質アップにつながるというメリットもあります。



血行促進や保湿効果のある入浴剤を入れるのもおすすめです。
【注意点】ダイエットと美肌を両立するためやってはいけないこと


間違ったダイエットをすると、太りやすい体質になったり肌荒れしたりします。
ダイエットの成功率を上げるために、以下の行動をしていないかチェックしてみましょう。
体重やBMIを気にしすぎる
体重やBMIにこだわりすぎると、不健康でリバウンドしやすい体になる可能性があります。
BMI(体重÷身長×2)は脂肪と筋肉の量を合わせて数値化するため、筋肉量が減っていることに気づきにくいのです。
両者のBMIは同じ
- 筋肉量8・脂肪量2→引き締まって見える
- 筋肉量2・脂肪量8→太って見える
「BMIが下がった」と喜んでいても実は筋肉も減っていて、代謝が落ち太りやすい体質になっている可能性があります。



健康的に痩せるために大切なのは、体脂肪率を下げること。
- 男性:10~20%
- 女性:19~28%
体脂肪は少なすぎても肌ツヤが失われる原因になるため、上記の数値を目指しましょう。
短期間で一気に痩せる
短期間で痩せたいからといって以下のようなダイエットをすると、リバウンドや肌荒れの原因になります。
1ヶ月で2~3kg落とすのがおすすめです。
- 食事制限をする
- 栄養不足になる
- ストレスが増える
- リバウンドしやすくなる
- 置き換えダイエットをする
- 栄養不足になる
- 糖質を摂らない
- リバウンドしやすくなる
- 便が出にくくなる
- 同じものばかり食べる
- 過剰摂取は体に悪い
食事制限をすると筋肉が減って太りやすい体質になり、リバウンド率が上がる可能性があります。



「食べたい!」というストレスでコルチゾールが分泌され、脂肪がつきやすくなる恐れも。
「朝食を野菜ジュースだけにする」などの置き換えダイエットも、栄養不足に陥りやすいです。
また、糖質制限は短期間で痩せやすいですが、リバウンド率も高まります。
白米やパンの代わりに、玄米や全粒粉パンなど低GIな炭水化物を摂るようにしましょう。
タンパク質を摂らない
タンパク質を摂らないと筋肉が減って代謝が下がり、太りやすい体質になってしまいます。
1食20~30gを目安にタンパク質を摂取しましょう。
- 肉類(100g):16~20g
- 魚介類(100g):16~20g
- 豆腐(1/3丁):6~7g
- 卵(1個):7g
- 納豆(1パック):8g
- 牛乳(1杯):6~7g
- 豆乳(1杯):6~7g
朝食には、筋肉がつきやすい動物性のタンパク質がおすすめです。
お酒をたくさん飲む
お酒をたくさん飲むと、代謝が下がり太りやすくなります。



お酒に糖質が多く含まれることも、脂肪が増える原因です。
どうしても飲みたい場合は、糖質が少ないお酒を選ぶようにしましょう。
糖質が少ないお酒
- ハイボール
- ウイスキー
- 焼酎
- ウォッカ
- ジン
- レモンサワー
糖質が多いお酒
- ビール
- 日本酒
- ワイン
- カクテル
組み合わせるおつまみも、ダイエットの妨げになる可能性があります。
糖質と脂質が少なくタンパク質の多い、枝豆やナッツ、サラダチキンなどがおすすめです。
飽和脂肪酸を多く摂っている
飽和脂肪酸は脂肪として蓄えられやすいため控えましょう。
- 動物性脂肪を含む食品
- ベーコン
- バター
- チーズ
- 牛脂
- 生クリーム
- トランス脂肪酸を含む食品
- マーガリン
- ショートニング
- 揚げ物
- 焼き菓子
飽和脂肪酸を摂ると皮脂が増え、ニキビや毛穴詰まりの原因にもなるので、美肌を目指す人にも不向きです。
有酸素運動のやりすぎ
有酸素運動をやりすぎると、代謝が下がって痩せにくくなる可能性があります。
体内に糖質や脂質がなくなると、タンパク質が分解されて筋肉が減ってしまうからです。



有酸素運動の目安は週60分程度。
タンパク質をしっかり摂りつつ、筋トレと有酸素運動を組み合わせて行いましょう。
【Q&A】ダイエットと綺麗な肌についてのよくある質問


【まとめ】正しいダイエットで綺麗な肌を目指そう


正しいダイエットを続けることで代謝がよくなり、きれいな肌に近づけます。
- 食生活を見直す
- 栄養バランスを整える
- 1日3食を心がける
- 太りにくい食べ方をする
- 低GI食品を摂る
- 良質な脂質を摂る
- 適度な運動をする
- 息が弾み汗ばむ程度を週60分
- 質の良い睡眠をとる
- 腸活をする
- シンバイオティクスを摂る
- 水分をとる
- 1日約1.2Lを飲料水で摂る
- 湯船に浸かる
- 38~40℃のお湯に10~15分浸かる
ただ間違ったダイエットをすると、肌荒れの原因になってしまいます。
カロリーだけにとらわれず、必要な栄養素は摂ることが重要です。



適切なダイエットを継続し、理想の体型ときれいな肌を目指しましょう。
参考文献
- jstage「食事のGlycemic Indexと生活習慣病一次予防」
- Google Scholar「運動習慣と生活習慣が顔面表皮の水分量に及ぼす影響について」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
- 日本医師会「どうして早寝が体にいいの?」
- 国土交通省「「健康のため水を飲もう」推進運動」
- jstage「シャワー浴からバスタブ浴への行動変容が睡眠と作業効率に及ぼす効果について」
- 厚生労働省「体型について。やせすぎ、太りすぎのリスクと対策」
- 花王「クロロゲン酸類の肌への効果」
- 高杉保美著『ずぼら管理栄養士が教える ずるやせダイエット』
- 藤田聡著『眠れなくなるほど面白いたんぱく質の話』
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